SafeSyncの最大の魅力は、年間4980円を支払えば保存容量が無制限という点だ。普段、Dropboxを使いながら「保存容量が無限にならないかなぁ……」と思っていただけに、大きなショックを受けた。容量制限のないSafeSyncは、定番のDropboxを一気に追い越してしまうのか? Dropboxユーザーとしても気になる。SafeSyncの実力をチェックしていこう。
SafeSyncのサービス内容を見ていこう。簡単に言うと、任意で指定したフォルダ(と、そのフォルダに保存されているデータ)を、サーバー上のユーザー領域(HDD)にアップロード(保存)できるサービスだ。アップロードしたファイルは、複数台の端末と同期したり、ほかのユーザーと共有(ファイルをダウンロードするためのURLアドレスを転送)したりできる。
気になるのは、100GBを何日間でアップロードできるのかという点。幸いにもSafeSyncのクライアントソフトは、Dropboxと違っておおよそのアップロード時間が表示される。利用している通信環境を使って、作業時間をチェックした。上り1Mbps~3MbpsのWiMAX回線では残り時間が6日~9日、もっとも高速な上り30Mbps~40Mbpsのフレッツ光 マンションタイプ(VDSL)では、残り時間が3日~6日ほどだった。アップロードの速度は刻々と変化するので、残り作業時間は早まったり逆に遅くなったりする。この結果と見る限り、24時間休みなく作業し続ければ、早くて1週間以内。遅くても2週間以内には完了すると考えてよさそうだ。
Dropboxユーザーとして、SafeSyncをどう見たか。容量無制限というSafeSyncは、サーバー容量に不安があるDropboxユーザーにとっては魅力的だ。年間の利用料も1万円以上安い(現在の為替レートの場合)。HDDがすぐにいっぱいになる……、容量を気にせずにデータをバックアップしたい……という人には、SafeSyncこそ最適なサービスと言えるだろう。しかし、筆者のように、複数間の端末で手軽にファイルを同期したい人には気になる点がある。
特に気になるのは、クライアントソフトの起動直後の動作だ。5分から10分程度、「ファイルデータベースをアップデートしています」という画面が続く(新規ファイルが2つあっただけで、チェックに1分30秒以上かかった)。DropboxやSugarSyncは、起動するとすぐに新規作成ファイルや更新ファイルを見つけて同期してくれる。SafeSyncでは、なかなか同期作業が始まらない。全部のファイルを一つひとつチェックしているのかと思ってしまうほど、時間がかかる。なかなか同期作業へ移らないのはストレスだ。
テスト全般を通じて感じたのは、SafeSyncというオンラインストレージは、データのバックアップ機能が主体であること。複数端末で同期はできるものの、筆者のようにデータの同期を第一に考えるなら、手軽さという点においてDropboxやSugarSyncの方が使いやすい。今回はファーストインプレッションなので、今後、サービス内容がよくなっていくことも考えられる。2011年第1四半期には、iPhoneやAndroid端末、Windows Mobile端末向けの専用クライアントソフトを提供する予定だ。筆者のSafeSyncのライセンスは、360日あまり残っている。ライセンス期間終了まで見守り続けながら、どのようなオンラインストレージサービスに進化するか見極めたい。